当院がアルコール依存症への取り組みを始めて約一年。
月一回のコンサルテーションを受けている安東医院にて、依存症専門外来の診察場面の見学、デイケア・家族教室やミーティングへの参加など、体験させていただきました。いろいろな病院を渡り歩き、やっとの思いでアルコール依存症の専門治療に繋がり、回復されつつある患者さん、家族さんに実際にお会いして、その生の声をお聞きすることができ、トリートメントギャップに対する医療の重要性や責任を感じました。
また、午後からは精神科開放医療に取り組まれている、いわくら病院の見学をさせていただきました。2019年には日本で初めての開放病棟による精神科救急病棟を開設。その人の行動の自由をできるだけ制限しない、入院中であってもその人が自分自身の人生を生きているという主体性の感覚を持ち続けていただける環境を提供すると明言され、至る所にその精神が体現されていることが私たちにもよくわかりました。アルコール依存症のリハビリプログラムも確立されており、自助グループへの参加に対する患者さんとの向き合い方なども併せて、非常に多くの学びとなりました。
どちらの病院も私たちを本当に温かく迎え入れてくださって、依存症という社会からの孤立を素因とした難しい病に真摯に向き合われるスタッフの皆さんの姿勢に心を打たれ、改めて私たちには何ができるのだろうと考えさせられる有意義な一日でした。